アライアンス・アライブの評価
駄文シリーズ第十七弾。
本日レビューするのは「アライアンス・アライブ」
フリューという聞いたことのないメーカーから発売されたゲームということで、あまり期待せずにプレイしたのだが、結果どうだったのかという感想。
良い点
戦闘システム
ゲームを始めてメニューを開き、最初に思ったのは、カスタマイズ性が高そうだなと。
まず、装備できる物が多い。武器が2つと、頭・胸・腕・足と、装飾が2つ。これだけで、レベル上げてゴリ押しするのではなく、装備の工夫で戦略的に戦う系のゲームだと分かる。
続いては資質。ポイントを使って資質を習得するようだが、項目がやたら多い(体術・剣・大剣・斧・槍・杖・弓・盾など)。とても全部取るようには思えないので、キャラごとに特化させるということが予想され、主人公はどれでいくか、まだ何も始まっていないのに、これを眺めているだけで楽しくなる。
そして、戦闘に入り、敵を倒すと、HPなどのパラメーターがランダムでアップ。経験値とかじゃなく。レベル制ではないらしい。これ、サガっぽくない?
戦闘を続けていく。攻撃の際に、新しい技を閃いた。やっぱこれサガじゃん。
ここまで似てるのはやばくないか?どう見てもパクリだ。こういう事を平気でするクリエーターの作ったゲームが面白いわけがないと、急激に不安になるも、暫くゲームを進めてみる。
するとオープニングに入り、スタッフロールが流れ始めた。そしてそこには、小泉今日治の名が。
お前かよ!(歓喜)
何も知らずにプレイしてびっくり。
サガシリーズの人が作ったのなら、戦闘は面白いに決まっているとここで確信。ラスボスまで倒した結果、やっぱり戦闘は楽しかった。
悪い点
あらゆるものが未完成
喩えるなら、同人ゲーでありがちな、最初の方は物凄く気合い入れて作ってたのが、途中で飽きて、後は適当にまとめてそのまま公開しちゃったみたいな。
これは商業作品なので、おそらく予算の問題なのだろうが、色々と残念。
ストーリー
千年前に魔族が人間界に侵攻してきて、地上に結界を張り、その結果、世界から「青空」が失くなった。それから、数百年、人間たちの一部はレジスタンスとして活動し、現在も魔族との対立は続いている。雨の降り続ける街で生まれ育った主人公とヒロインが、今では神話のようになってしまった青い空が、昔は本当にあったのかを確かめるために、青空の絵を見に魔族の美術館に侵入し、そこから物語が動き出す、という。世界観が良くできていて、個人的には面白いストーリーだと思った。
途中までは良かった。しかし、後半が駄目。急いで強引に終わらせた感が酷い。そもそもつまらないストーリーであればこれで十分だが、とてもいいものを持っていただけに、こうやって終わらせなければいけなかったのが、非常に勿体無い。
ギルド
このゲームには5つのギルドがあり(諜報・鍛冶・図書・印術・戦術)、それぞれ最大10レベルまで上げることができ、レベルが上がることで様々な恩恵を受けることができる。レベルを上げるには世界中の人をリクルートして(ただ話しかけるだけだったり、サブイベントをこなしたり)、ギルドに入れると、人数に応じてレベルが上がる。人によって適正があり、どのギルドにも入れるということではない。
また、中にはギルドマスターというものがいて、それらの人数分、世界地図の特定のスポットに、好きなギルドタワーを建設できる。ギルドタワーを建てると、その近くで戦闘をした時に支援が受けられるという効果がある。更に、ギルドタワーの近くにもう一つギルドタワーを建てるとテレグラフという、ギルド同士の繋がりができるという、中々凝ったシステムなのだが、あまり使う必要がない。
ギルドレベルをきっちり上げないと倒せないほど強い敵が存在せず、ギルドタワーも、これを建設できる頃にはもうザコ敵とは殆ど戦闘しないからだ。
ギルドというものの戦闘への影響が小さく、あってもなくてもそんなに変わらない程度に留まってしまっているので、もう少し調整が必要だった。
水魔の巣窟
世界中に水魔の巣窟という、強い敵のたまり場となっている場所が存在し、それぞれの巣窟には脅威レベルというものが設定されてたり、最高レベルの場所にはとんでもない化物が潜んでいたりと、このシステムもかなりのポテンシャルを持っていたと私は思うのだが、いざ潜ってみると同じようなダンジョンばかりで変化に乏しく、攻略したところで、そこにギルドタワーを建てられるようになるだけなので、上で述べたように、メリットが殆ど無い。
まとめ
人類と魔族との戦いというストーリーを最後まで丁寧に描ききり、ギルドが必須になるくらい戦闘難易度を徹底的に調整し、テレグラフが水魔の巣窟攻略に大きな影響を及ぼすようにし、全ての水魔の巣窟に固有のボスなり宝箱なりイベントなりを設定し、後ワールドマップをもうちょっと広くして、街やダンジョンを増やせば、きっと神ゲーになるのだろう。私がここで書かなくても、開発者も十分承知しているはずである。
このゲームを昇華させるには、何かを変える必要はなく、ただ足りない部分を増やせばいいだけなのだ。それは予算さえあればできる。
しかし、どう考えても一般受けするゲームではないので、売上的にこれ以上開発費を増やすことはできないだろう。
それでもいつの日か、日本の景気が良くなり、ゲーム業界も息を吹き返して、アライアンス・アライブの完全版が発売されることを期待してやまない。