FE覚醒の評価
駄文シリーズ第十弾
本日レビューするのは「ファイアーエムブレム 覚醒」
約5年ぶりの完全新作にして、３ＤＳの初作品ということで、期待値は高かったようだが、果たしてどうであったかという話。
良い点
とっつきやすさ
ファイアーエムブレムシリーズは難易度が高く、初心者お断りみたいな感じだったが、本作ではキャラメイクや結婚システムなど、ライトユーザーが好きそうな要素が盛り込まれ、難易度も選択できるようになっているので、過去作と比べてより幅広い層に受け入れられるような作品になった。
悪い点
カジュアルモード
私が初めてプレイしたFEはDSの新・暗黒竜と光の剣だった。
シミュレーションRPG自体は数多くの作品（ファミコンウォーズシリーズやスーパーロボット大戦シリーズなど）をプレイ済みだが、死んだユニットが以降使えなくなるというのは今までに一つもなかった。
序盤でシーダを特攻させ、あっけなくやられてしまい、以降ヒロイン不在で物語が進んでいった。
そして私はFEというのはこういうものだということを学び、ユニットを死なせずに戦略を立てることの奥深さを学んだ。
さて、今作でカジュアルモードが搭載され、こちらを選んでおけば、やられたユニットは死亡ではなく撤退ということで、次マップから復活するようになった。
FEをFEたらしめているのがユニットのロストという要素であり、これが無くなってしまったら、それはもうFEではないのではないか。
３０分以上かけてマップをクリアしたが、終盤で１人ユニットがやられてしまった。
そのユニットが戦力的にさほど重要ではない場合、それでもロストは嫌だから最初からやり直すのか、それとも長時間かけてやり直しは面倒くさいからそのまま進むのか、あるいはやり直したら今度はもっと多くのユニットを死亡させてしまう可能性が高いので、諦めてそのまま先に進むのか悩むのがFEなのだ。
そのような楽しみがカジュアルモードにはない。
これが嫌ならクラシックでやればいいという意見もあるだろう。
しかし、リスクを回避する手段がノーコストで用意されているのなら、それを使ってしまうのが人間だ。
例えばの話、大学受験で１年かけて十分に準備し、直近の模試では余裕のA判定で、センター試験も過去の合格ラインを大きく超えていたとしよう。いざ二次試験当日、この書類にサインしたら点数が足りなくても合格できると言われたらどうだろうか。そこまで万全の状態で来ても、万が一の可能性がある。そのリスクを考えたとき、それでもサインを拒める人がどのくらいいるのだろうか。
私は本当はクラシックでやりたいが、カジュアルがあるとそっちを選んでしまうので、カジュアルは最初から存在しないものにしてほしい。
フリーマップ
私が新・暗黒竜と光の剣をプレイしたとき、マルスばかりを育てたせいで、ラストマップで使えるユニットが少なすぎて手が足りず、詰みでゲーム最初からやり直しという状態に陥り絶望した（結局、ワープの杖を使うことでラスボスに速攻を決めて事なきを得たが）。
育成に失敗すると最悪初めからやり直しのがFEなのだ。
それが、フリーマップなんてあったら、いかに効率的にバランスよくユニットを育てるかという戦略性が無くなってしまう。
これも、使いたくなければ使わなければという話だろうが、レベル１９のユニットがいたら、フリーマップで２０に上げてクラスチェンジさせたくなってしまうのが人間だ。
タプルが強すぎる
ユニットを二人一組にすることで大幅にパラメータがアップするのだが、これをやって全マップ単騎で突っ込めば楽に攻略できる。
今までのFEには救出という要素があり、打たれ弱いユニットが前線で攻撃して行動終了後、騎兵ユニットで救出して戦線を離脱させるということができたのだが、これも同じく、救出するユニットとされるユニットが一組になる。そして、救出中の騎馬ユニットのパラメータが大きく下がるのだ。
タプルのせいでこれがなくなり、戦略の幅が狭まったのもマイナス点。
まとめ
ライトユーザ向けにすると、従来のファンからは不満が出てしまうというこの問題をどうすれば良いのか、一つ提案がある。
難易度変更にDLCを使ってはどうだろうか。
受験の例に戻るが、もし書類にサインする際に１０万円の費用がかかるとしたらどうだろうか。そこまで真面目にやってきて、自分に自信のある受験生ならば、その提案を拒むのではないか。
それと同じく、カジュアルモードをDLCで売って欲しい。
それならば私は買わずに、クラシックでプレイできるし、ライトユーザーは数百円支払ってイージーモードでプレイすれば良いのだ。
もしくは、丸々カジュアルモードを売るのではなく、ロストしたキャラを生き返らせる消費アイテムや、これを持っているとやられても撤退するだけで死ななくなる所持アイテムを売るのはどうだろう。
この案が現実的がどうかはいいとして、とにかく今までのFEシリーズをプレイ済みの人にとっては温くて面白くなかったというのが、ファイアーエムブレム覚醒の感想だ。
そこまでに何十分もかけて攻略中だったマップで、ちょっとしたケアレスミスにより、エリンシアが弩の敵ユニットから攻撃を受けて、命中率２０％を引き、やられてゲームオーバーになり、怒りでコントローラーを投げてベッドを殴った後、ため息をつきながらやり直したあの日が懐かしい。