メガテンDSJの評価
駄文シリーズ第十一弾
本日レビューするのは「真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY」
良い点
ストーリーと世界観
ストーリーを簡単にまとめると「南極にシュバルツバースとかいう謎の巨大空間が出現し、それがどんどん大きくなっていってこのままじゃ人類ヤバイから、対処法を見つけるために中に入って調査する」という話。調査員の一員が主人公。
調査船が壊れてシュバルツバースという訳のわからない空間に閉じ込められ、更に正体不明の敵から攻撃を受けてバタバタと仲間が死んでいくという絶望感から、高次元の存在によって謎の力を与えられ、それを使って悪魔を使役し、生き残りと帰還をかけての戦いが始まるという流れが良くできていて、序盤からゲームの世界に引き込まれる。
３Ｄダンジョンのマップを手探りで埋めていくシステムがストーリーの内容と合っていて、最初のステージが地獄みたいなところでBGMもおどろおどろしく、その恐怖を駆り立てる感じなども、プレイヤーは大変キャラクターに感情移入しやすい。
ストーリーへの没入感という点では、なかなかこのレベルのゲームはお目にかかれない。
悪い点
マップ移動
マップが結構広いわりに、主人公の移動速度が遅い。常にダッシュ状態でちょうどいいくらいだが、残念なことにダッシュできるのは前方向へのみ。
３Ｄダンジョンでこれはそれなりのストレス。螺旋状の移動とか相当めんどくさい。
世界樹の迷宮みたいに移動速度をコンフィグできたら良かった。
マップギミック
色々とマップギミックがあるのだが、ただただ時間がかかるだけでそれが面白さに寄与しているとは思えないものも少なくない。
例えば毒沼。その上を歩くとかなりのダメージを受けるので、数歩歩いてすぐ回復を繰り返すこととなる。ストーリーを進めると、それダメージを軽減できる装備が手に入るが、それまで探索を後回しにできるわけではないので、結局、毒沼が存在することによりゲームにどんな面白さが加わるのか、私には分からない。軽減装備がない状態で無理やり毒沼を突っ切って進むと、その段階では強力な武器が入手できるが、軽減装備が作れる頃にその武器を取れても、もうそんなに強くないとか、そういった要素は私がプレイした限りでは見受けられなかった。
他には、ダークスペース。ダークスキャナーという装備がないと、ダークスペース内では道が一切見えない。進行上、ダークスキャナーを取る前にダークスペースを通らなければならないので、その際は壁にぶつかりながら一歩ずつ進み、その度に全方位方向転換し扉があるかを調べねばならず、非常に面倒。
ラスボスが強すぎる
私は高難易度のRPGは好きなので、ボスが強い事自体は良いのだが、このゲームのラスボスは正攻法を前提とした強さを超えてしまっているのが問題だ。
このゲームはモンスターをパスワード出力できるので、人が作った強いモンスターのパスワードをネットで探して、それを自分の仲間にできる。
強いモンスターは召喚するには莫大なマッカ（お金）がかかるので、この機能自体がバランスブレイカーとまでは言えないかもしれないが、ラスボスはパスワードを使わないと勝てない。
ラスボス攻略の為に具体的に何が必要かというと、少なくとも仲間のうち３体になるべく多くの攻撃耐性（主に反射）をつけなくてはいけないが、耐性スキルを取るのが大変。
スキルはデビルソースというものを使って覚えさせるのだが、それは最初の一つは簡単に取れるが、２つ目以降を入手するのは相当手間がかかる。普通にプレイしただけではラスボス攻略に必要な分のデビルソースは集まりきらない。
そこでプレイヤーが取れる選択肢は３つ。地道に頑張るか、ネットで強いパスワードを探すか。あるいは、セーブデータをコピーしてそっちで全デビルソースを使って強いモンスターを１体作り、パスワード出力して本データに持ってきて、またセーブデータコピーして～という手順を必要なだけ繰り返すかだ。
何れにせよ面倒くさい。諸悪の根源はパスワード機能ではなかろうか。これがあるからデビルソースの入手が困難に設定されているのなら、余計なことをしてゲーム性が損なわれているのは残念だ。
クエスト
クエストで、特定のモンスターとエンカウントしなければならないものが幾つかあるが、これもだるい。このゲームは脱出ワープしかないので、エリアの奥の方にいるモンスターとエンカウントしたい時には、そこまで歩いていかなければならない。上で述べたように移動が遅いので、ショートカットが開通された後でもそこそこ時間がかかる。しかも、エンカウントしたいモンスターがなかなか見つからない。悪魔図鑑的なもので、生息分布や最後に遭った場所が表示されるが、どこぞのエリアの何階としか書かれておらず、実際は同じ階でも区画ごとにエンカウントするモンスターの種類が全く違うので、広範囲を探さなければいけない。
こう少し細かく教えて欲しかった。
まとめ
戦闘システムなどはまあまあの出来で、全体としてみれば良作ではあるが、私はプレイ中ストレスを感じる部分が多かった。
やたらと時間がかかるものを楽しめる人には良いだろうが、せっかちなタイプの人には向かないような気がする。