ルセッティアの評価
駄文シリーズ第六弾。
本日レビューするのは「RECETTEAR ルセッティア ~アイテム屋さんのはじめ方~」。
ミーちゃんの人のゆっくり実況プレイ動画がニコニコのランキングに上がっているのを見て知り、興味を持ってプレイした。
その感想。
良い点
ゲームジャンル
冒険者に武具を売ってそいつらにダンジョン探索をさせるアイテム屋経営ゲームというのは、発想としてはありそうなものだが、実際にそのようなゲームはこれ以外知らない。
アトリエシリーズはアイテム屋だけで冒険者は絡まないし、同じようなコンセプトに見えるレンタル武器屋deオマッセでリズムゲーだし。
アクションパートの出来
アイテム屋経営がメインのゲームなので、アクションパートはおまけ程度かと思いきや、割としっかり作られている。
操作できるキャラクターが5人以上いて、それぞれ攻撃モーションが違う。盾やダッシュなどのパッシブスキルもあり、SP消費の攻撃技も各キャラずつ数種類用意されている。
ボスも5種類以上いて、それぞれ攻略法が違う。
例えば、巨大スライムは小さくしないとダメージがほとんど通らないとか、巨大ネズミは毒キノコを食べさせてピヨってる間に攻撃するとか。
バリエーションが豊かなので、中々手が込んでると言えよう。
ゲームバランス
毎週借金が取り立てられ、その返済額が1万,3万,8万,20万,50万とかなりの勢いで増えていくが、初見でもうまくやれば返せないことはない絶妙な値に設定されている。
悪い点
ループ仕様
借金返済が滞ると、夢オチで初日に戻らされる。
その際、商人レベルと所持品は引き継げるが、イベントは最初からやり直し。
このような仕様にする意味がわからない。
返済額がシビアすぎてクリアできないプレイヤーへの救済措置であるならば、もう少し返済期間に余裕をもたせて難易度を下げて、返せなかったら普通にゲームオーバーにした方が、経営ゲームとしては良いように思える。
ダンジョンの必要性がほぼない
ゲームの流れとしての理想は、
1:アイテム屋で冒険者に装備を売る
2:強化した冒険者でダンジョンに潜り、ボスを倒して貴重アイテムゲット
3:その貴重アイテムを使って、アイテム屋をパワーアップし、より強い装備品を扱えるようになる
これの繰り返しだろう。
しかし本作では、アイテム屋経営はアイテム屋経営だけで完結している。
アイテムの売り買いをすると商人レベルが上がり、扱えるアイテムが増える。増えたアイテムの中から高価なものを仕入れて、客に売って稼ぐ。売っている間に、また商人レベルが上がる。そして、より高価なアイテムを仕入れて売る。
これを続けることによって、借金が完済される。
返済においては、ダンジョンに行く必要は全くない。
寧ろ、ダンジョンに行くと掛かる時間経過の割に、ダンジョンで拾って持ち帰れるアイテムの金額は美味しくないので、その時間に店を開けて商売するほうが、全然効率がいい。
借金を返済するまではダンジョンには行かないほうが良いのだ。
ダンジョンに行かないなら、冒険者の装備を強くする必要もない。
そうなると、元々のコンセプトの、冒険者に装備品を売るアイテム屋という部分がぼやけてくる。
これは問題だろう。
経営ゲーとしてのゴール設定
借金を返し終わると、一応エンディングで、その後はフリープレイ。
しかし、そうなった時に、経営ゲーとしてやることがなくなってしまう。
エンディング後は、借金返済に追われて出来なかったイベント消化やダンジョン攻略がメインになるが、そうなるともう経営は関係ない。
ダンジョン攻略のため、冒険者には強い装備品を売る必要がある。
強い装備品を仕入れるには商人レベルを上げる必要がある。
しかし、この商人レベルを上げるのに、高い商品を売る必要はない。
どの商品を売ろうがもらえる経験値は同じだからだ。
安い商品を売れば良いのなら、仕入れにお金は大してかからない。
借金を返したら、もうお金の使い道が殆ど無くなってしまう。
だったら儲ける必要もない。
儲ける必要のない経営ゲームが面白い訳がないだろう。
借金を返すことがこのゲームの経営パートの全てなのであれば、序盤5週で返済を終わりにするのではなく、もっと長い期間をかけて、もっと沢山の金額を返済するようにしたほうが良かったのではと思う。
ジャンル買い
客に指定しされたジャンルの中から商品を売るとき、例えば食品なら、左右キーで食品に合わせてからその中で売りたいものを売るのだが、どうせ食品しか売れないので、最初から食品に合わさった状態で始まってほしい。
客は結構頻繁にジャンル買いをするので、それなりに多いジャンルの中から、毎回目当てのものを選択するのはかなり面倒。
まとめ
一言で言ったら惜しい作品。
面白いは面白いが、飽きも早い。
エンディング後はとてもゲームを続けるモチベーションが保てない。
経営パートとダンジョンアクションパートの楽しみ方がそれぞれほぼ独立してしまっているのが残念。
これら2つの要素が上手に絡まり合っていたとしたら、中々の名作になっていたかもしれない。