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加計学園問題を分かりやすくまとめたよー

   

要点まとめQ&A

加計問題、結局悪いのは誰?

安倍と萩生田…ではなく、前川と文科省と獣医師会。

前川元事務次官は不正を正す為に立ち上がった正義のヒーローじゃないの?

この件で安倍を叩いてる奴は、総理が友人を優遇したという、国家権力の濫用を疑ってるからでしょ?
国家権力の濫用の最たるものが天下り。
組織的に天下りを斡旋して処罰された、その前川が正義のヒーローって、正気?

総理のご意向はなかったの?

岩盤規制を突破するという意向はあった。
加計学園を特別扱いしろという意向はなかった。

じゃあ何で京都産業大は駄目だったの?

前からやりたがってたのが加計、後から手を挙げたのが京産。
獣医師会がせめて一校にしてくれと頼むから、順番で加計になっただけ。

そもそも獣医学部と獣医師って足りてるの?

地方の産業獣医師は足りてない。
他は知らん。
問題の本質は獣医学部の過不足ではなく、獣医学部だけ文科省が不当に認可しないという事。

何故文科省は獣医学部を作らせないの?

獣医が増えると獣医の給料が下がるのを、獣医師会が嫌がって、文科省に獣医学部を新設しないでとお願いしてるから。
その見返りに、文科省は獣医師会に天下りしてる。

何で前川は告発したの?

それは本人にしか分からない。
辞めさせられた腹いせか、政権にダメージを与えれば、反自民組織に天下りできるのでは?

このQ&Aの信憑性は?

閉会中審査での青山繁晴の質疑を見れば分かる。

www.nicovideo.jp/watch/sm31546152

40分以上の動画なんて見たくないよ

以下に文章でまとめたからそっちを読め。

忙しい人向けの要約

青山繁晴参院議員
「産業獣医師足りてなくて、愛媛では確保が困難だというデータがあるけど、合ってるよね?」
農林水産省・小川大臣官房審議官
「YES」
青山
「その愛媛で加計学園が獣医学部作るのが、行政が歪められたことになるの?」
前川喜平参考人(前文科事務次官)
「加計だけが新設を認められたプロセスに問題があったと言ってる」
加戸守行参考人(元愛媛県知事)
「こっちは10年前から獣医学部作りたかったんだ。行政の歪み?今回の特区で歪んでた行政が正されたんだろうが」
青山
「私大の獣医学部、学生が多すぎて、授業や実習が満足にできてないよね。獣医学部、足りてないよね?」
前川
「新しい大学作らなくても、既存の大学で教員増やせば良いでしょ」
青山
「それができてないから、今こんな状態なんじゃん」
加戸
「東京の獣医学部出た人が、愛媛になんか就職してくれないし、日本の獣医学は欧米と比べて遅れてる。だからこっちで先端サイエンスに力を入れた獣医学部作らせろよ」
青山
「プロセスに問題があったって言うけど、獣医師会が作るなら一校だけにしてくれって頼むから、ずっと前から作りたがってた加計に決めて、京都産業大には諦めてもらったんじゃん。この経緯、分かってる?」
前川
「それは知らんけど、加計が獣医師学部が必要な理由をちゃんと説明できてないのに、認められたのがおかしい。総理の意向があったからだ」
青山
「獣医師学部が必要じゃない理由を説明しなきゃいけないのは、文科省の方だろ。それができなくて加計がOKされたのに、総理の意向のせいにするな」
加戸
「大体、薬学部なんて余りまくってるのに幾らでも作れて、獣医学部は何で駄目なの?」
青山
「獣医師を増やしたくない獣医師学会が文科省の天下り先だからじゃないの?」
前川
「天下りと加計の話は別問題だから」
青山
「いや、密接に関係してるでしょ」
加戸
「マスコミの報道は不公平。YouTube見た方が良い」
青山
「終わり」

それなりに時間のある人向けの要約

青山繁晴参院議員
「現在の日本では、鳥インフルエンザ、口蹄疫、そしてBSE、狂牛病という深刻な新しい危機が生まれています。
農水省によれば、全国3万9000人の獣医師のうち、ペット関連の医師の方々が39%と最も多くて、家畜の防疫や改良などを担う公務員獣医師はわずか9%です。今日質問するにあたりまして農水省に改めて問い合わせてみますと、以下のような回答でありました。
産業動物獣医師(ウイルスなどに対応できる獣医師)については、十分に確保できていない地域があることから、獣医学生に対して、地元に就職することを条件に、学資を貸与している。このような地域は、産業動物獣医師の確保が困難だと言える。
そして、こうした学資の貸与は、愛媛県では、9件あります。全国で3番目に多くなっています。
東京にはこうした貸与は一切ありません。
農水省の政府参考人であります小川良介審議官、これで間違いないか、それだけを簡潔にお答え願えますか」

農林水産省・小川大臣官房審議官
「ただいまご指摘の獣医学生等に対して就学資金を貸与する事業でございますが、平成28年度には全国で16地域が事業を実施するなか、愛媛県の計画は9人で、全国で3番目に多くなっているところでございます」

青山
「前川参考人にお尋ねします。
あなた様におかれては、日本に獣医師の不足がないから、愛媛県今治市に加計学園が、新たに獣医師学部をつくることは、行政を歪めることであるという趣旨で発言されていると思いますが、この、いま申し上げた実態はご存知なのでしょうか」

前川喜平参考人(前文科事務次官)
「違います。
獣医学部の新設について、一律に申請を受け付けないという告示があるわけでございますが、その告示に対して特例を設けるかどうか、あるいは告示の撤廃を考えるかどうか、獣医学部の入学定員について定員管理をするというポリシーを捨てるか捨てないか、これは政策論議をすべき問題であります。
この規制緩和をすべきかどうかという問題と、その規制緩和の結果として、加計学園に獣医学部の新設を認めるかどうかという問題とは、これは次元の違うことでございまして、私が歪められたと、いうふうに思っております部分というのは、規制緩和の結果として、加計学園だけに獣医学部の新設が認められるに至ったプロセスであります。
その部分が問題であるし、不公平な部分があるんじゃないか、また不透明な部分があるんじゃないか、そこの解明が必要だというふうに考えてるところでございます」

青山
「前川参考人のおっしゃったことは、もう少しあとに改めてご質問いたします。
で、いま、加戸参考人におかれては、自治体の最前線でこの獣医師不足に直面してこられました。
どのような実態でしょうか。
また、前川参考人の先ほどのご答弁、お答えをどのようにお聞きになりましたでしょうか」

加戸守行参考人(元愛媛県知事)
「10年前に愛媛県知事として、今治に獣医学部の誘致を、当時は構造改革特区の名のもとに、申請した当時のことを思い返しまして、この問題がこんなに多くの関心を、10年後に持っていただいてるということに、不思議な感じがいたしております。
当時、愛媛県知事として、一番苦労しましたのが、鳥インフルエンザ、あるいは口蹄疫の、四国への上陸の阻止、あるいはBSEの問題の、日本への波及の阻止でした。
言うなれば四国という小さな島ではありますけれども、こういった感染症対策として、一番防御が可能な地域という意識もございました。
アメリカが狂牛病の体験を受けて、先端切って国策として、ライフサイエンスと感染症対策をベースとした、獣医学の教育の充実、そして3つの獣医科大学の新設という形で、懸命に取り組んでいる姿を横で見ながら、なんと日本は関心を持っていただけない国なんだと。
私は少なくとも10年前に、愛媛県民の、そして今治地域の、夢と希望と関心を託して、チャレンジいたしました。
厚い岩盤規制で、はね返されはね返され、やっと国家戦略特区という枠の中で、実現を見るようになった。
いま本当にそれを喜んでもおります。
先ほどの話にございました、行政が歪められたという発言は、私に言わせますと、強烈な岩盤規制に国家戦略特区が穴を開けていただいたということで、歪められた行政が正されたというのが、正しい発言ではないのかなと、私は思います」

青山
「もう一点だけ、ご質問、お二人にいたします。
これまでの獣医師養成には別の問題もあります。
実は現在、930名の定員でありますけれども、1200名まで、水増し入学が行われています。
これで需要が均衡してると、もしも文科省が判断してるんであれば、この点からも、おかしいのではないでしょうか。
実は現場の方々にずいぶん尋ねていきました。
そうしますと、たとえば教室に入りきれない学生が廊下にあふれて、授業を覗き込んでるって実態もある。
一番大切な実習も、実は背後から覗くだけという、状態が起きてる所がかなりあると。
で、文科省は現在、大学の定員超過の是正に取り組んでいる、とも聞きました。
ただ、もしも獣医学部の水増しが正されれば、年間270名、なんとほぼ4分の1もの新しい世代の獣医師が減ることになります。
これは獣医師の教育が現状の学校では十分でないという証拠でもあり、獣医師養成の学校が足りないという証左ではないでしょうか。
前川参考人、この点については、ご見解いかがでしょうか」

前川
「私立大学の定員超過の是正をどうするか、ということは一般的な問題としてあると思います。
これは私学助成をどのように活用するかというようなことも含めまして、検討する必要がある問題であろうと思います。
ただこの獣医師の需要がどのぐらいあるのか、それに対してどのくらいの獣医学部の入学定員が望ましいのか、これはやはり政策的に定員管理を行っていくということが当面、正しい方法だろうと思っておりまして、いっぺんにこれを撤廃するということは、望ましくないだろうと、私は個人的に思っております。
獣医師に関してましても、今後養成を増やす必要があるというのであれば、既存の大学の定員を増やすという方法もあるわけであります。
既存の大学には、十分なスタッフが揃っている場合もありますし、その教官組織をさらに充実させるということもあると思います。
まっさらに新しく獣医学部をつくる方が、よほど困難でありまして、その教員をどこから連れてくるかという問題は非常に難しい問題のはずであります。
既存の大学から、その新しい学部に教員を連れてくるのであれば、既存の大学の教員組織が弱体化いたします。
そこをどうするのかという問題ございますから、単に養成数を増やすということであれば、通常は既存の大学の定員を増やす方が、よりコストのかからない方法であります。
で、実際、医師についてはそういう方法をとって、供給数を減らしているわけであります。
そういった選択も含めて、政策的に考えるべき問題であるというふうに考えます」

青山
「前川参考人がおっしゃったのを、謙虚にお伺いしましたけれども、要は既存の体制の強化でありたい。
で、それがもしできるならいいんですけれども、それだったら、いまの水増しのような事態が、この獣医師養成機関はみんな志を持ってやってるわけですから、起きるはずがないと思います。
その上でもう一度、今の件について、加戸参考人はいかがでしょうか」

加戸
「特区の申請をしてから、何回も門前払いを食らいました。
いろいろな方策で模索しましたが、一番強い反対は、日本獣医師会でありました。
当時、直接の接触はございませんでしたけど、ホームページでは、専務理事が、今治の獣医学部新設に関して、ケチョンケチョンの論陣を張ってられました。

当時から私が大変疑問に思いましたのは、まず、獣医師の養成が、箱根の関所から東で8割の入学定員があり、箱根の関所から西の方には2割の入学定員しかない。
しかも私学は水増し入学はしますから、実質的には養成される獣医師の数は、箱根の関所から東は80数パーセント、場合によっては90%近く。
で、空白区は、四国であります。
獣医師が確保できない。
県知事として、いろんな対応をしても、たとえば、地方公務員は競争試験が原則ですけれども、獣医師はもう無試験でもいいから、どうぞどうぞと言っても、来ていただけない。
で、獣医師会の反対は何かと言ったら、処遇しないからだと(獣医師会が言うに、愛媛の獣医師不足の原因は、待遇が悪いからだと)。
じゃあ、愛媛県だけは、あるいは四国は、獣医師の給与体系を、国家公務員の獣医師よりも、上回る体系を作ることができるのか。
それは、じゃあ、獣医師が充足された時は給料を下げるのかと。
愛媛は給料が安いから行かないんだよとか、奨学金を出さないから行かないんだよと。
全部東京へ来たら、養成して帰すからと(愛媛がちゃんとしてれば、東京の獣医学部で獣医になった人がそっちに行くから、四国に獣医学部は必要ない)。
そういうことでいいのかなってことがひとつ。

それから、新しい学部はできないというが、大学教授の定員は10年前と変わらないままで、アメリカは必死にやってるのに、日本は据え置いたままで、新しいのは作るな作るなと。
今回のケースにしましても、遥かに多い獣医学の教官をつくって、感染症対策なり、あるいはライフサイエンスなり、あるいは動物実験による創薬の研究なりと、幅広い学問をやるスタッフを揃えようと思っても、それにブレーキをかけるっていうのが、私には理解できない。
それならば自分達で、なぜこの10年の間に、アメリカに遅れないように、スタッフを揃えないんですかと。
いまのままで置いておいて、今治にはつくるなつくるなって言う。
これはあまりにもひどいではないかっていうのが、私の思いでありました。

私の知事の任期の終わりの方に、民主党政権が誕生して、自民党じゃできないわ、私たちがやると言って、頑張ってくれました。
対応不可の門前払いから、実現に向けての検討とレベルアップしました。
ああよかったね、で、私は次の知事にバトンタッチしました。
ところが自民党政権に返り咲いても、何も動いていない。
何もしないでいて、ただ、今治だけにブレーキをかける。
それが、既得権益の擁護団体なのかという悔しい思いを抱えながら、参ってまいりました。

そして国家戦略特区で取り上げられ、私も昔取った杵柄で、いま今治市の商工会議所の特別顧問という形で、参加しております。
大切なことは、先端サイエンスと、感染症対策と、封じ込めと、私たち日本人の生命がかかるこの問題を、欧米に遅れないような、獣医師を養成しなけりゃならないこと。
手を加えないでおいて、今治はだめ今治はだめ、加計ありきと、言うのは、何でかなと思います。

加計ありきではありません。
加計学園がたまたま、愛媛県会議員の、今治選出の議員と、加計学園の事務局長がお友達であったから、この話がつながってきて、飛びつきました。
これもだめなんでしょうか。
お友達であれば全てだめなのか。
そんな思いで眺めながら、今日やっと、思いの一端はこの場を借りて、申し上げさせていただきました」

青山
「加戸参考人におかれては、旧文部省で官房長まで務められたお方で、前川参考人の先輩でもいらっしゃいます。
文科省、あるいは旧文部省が守ってきたいわば既得権益、規制の壁と、それから自治体、特に地域の方々、そして危機に備えなきゃいけない務め、そういうことが齟齬を来していたということを、お話になられたと思います。
その上で、先ほど前川次官から、加計ありきが問題じゃないかっていう趣旨のこともおっしゃいましたので、このお話、このご質問、いたしたいと思います。
と言うのは、経緯です。
愛媛県の今治市に加計学園の岡山理科大学獣医学部を新設することについては、今日の審議でもさまざまな文書が議題になりましたけれども、省内のメモというのは普段から溢れているということ。
そういうことに依拠するよりも、閣議決定や、あるいは国家戦略決定をめぐる議事録、公に公開されているものを丹念に調べていけば、経緯は非常にはっきりしていると考えています。

まず文科省は、先ほど前川参考人が仰った告示、これを西暦2003年に最初に、この件について出しております。
この告示というのは、法律でも政令でも省令でもなくて、役所が出す一種の命令のようなものです。
したがって、この告示にまず注目せざるをえないんですけれども、獣医師などの大学新設を事実上差し止める告示が、2003年に出されました。

これに対して、いま加戸参考人がおっしゃった通り、愛媛県と今治市が共同で獣医学部を誘致し、加計学園だけがこれに応じたのが、告示の3年後の2007年です。
その後8年間に渡って、加計学園だけではなくて、加戸さん、当時の愛媛県知事ら自治体の働きかけがあって、新しい需要があることなど4つの条件を満たせば、国家戦略特区の中に獣医師の学校をつくって良しと、いう閣議決定がなされた。
これが、一昨年の、2015年の6月30日です。
この前年には、この国家戦略特区の基本方針が閣議決定されていて、その中にこういう趣旨があります。
ある省庁が規制の緩和を困難とする場合には、その正当な理由を説明するのを義務とすると。
そのために先ほど申しました4条件に基づいて文科省は、新しい需要が獣医師にあるのかないのか、2015年度末、つまり、去年の3月31日までに説明する責任が実質的に生まれました。
ところが文科省は、年度末までにそれができなかった。
で、それを見てなのか、そこで新たに京都産業大学が名乗りを上げました。
つまりちょうどその頃、2016年の3月です。

しかし安倍政権は、これをもって文科省のいわば敗北とはせずに、半年延ばして、2016年9月16日に、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングを行いました。
この席で、文科省の課長補佐の方は、こう仰った。
新しい需要があるかないかという挙証責任は、大学や学部を新設したいという側にあると。
要するに文科省にないってことを仰ったわけです。
ところがワーキンググループ側に参考人でいらっしゃった原英史さんなどが、いや、文科省にあると。
この議事録を見ていただくと、このあとに文科省の反論は一切ないんですね。
したがって、議論はそこで決着してしまっている。
で、なぜ挙証責任が文科省にあるかといえば、これは大学や学部新設の許認可はすべて文科省が握っているからです。
文科省もそれが分かっているから反論しなくて、いわばそれで決着してるわけです。

この文科省が、いつも話題、問題になる総理の意向があるという内部文書を作成したのは、この決着したわずか10日後のことです。
課長級の交渉で決着してしまったことに、改めて内閣総理大臣が口を出すというのは、およそ行政の現場にいる人からしたら、信じられないことです。
これはすなわち、文科省の内部向けに、敗北したことであっても、それは総理のご意向だから仕方ないでしょうという、内部向けに弁明する文書だったと見るのが、一番真っ当な解釈ではないでしょうか。

で、この解釈が当たっているかどうかは別にして、現実に動いたのが、日本獣医師会です。
獣医師会の蔵内勇夫会長は、西日本新聞のインタビューに答えて、こう仰ってます。
規制緩和が決まったあとは、確かに1校にして下さいと、せめて1校にして下さいと、お願いしましたと。
新設を回避できないなら、せめて1校に限るべきだと思ったからですと。

で、これを受けて、この年の11月秋になって新規参入の京都産業大学が、次回以降に期待をつなぐ形で、無理をせずに、ここで矛を収めましたと。
これは非公式な発言ですから、信憑性は確認できません。
個人の発言ですから分かりませんが、しかし、皆さんお聞きになってどうですか。
これごく真っ当な話ですよね。

その京都産業大学の撤退を、直接受ける形じゃないと思いますけど、翌年、加計学園が特区事業者に認定されたわけです。
獣医師会の強い希望、獣医師会による自由民主党を含めた政界への働きかけによって、1校に絞られた時に、もしも去年に初めて参入した京都産業大学になっていれば、それこそ何があったのか、大変な問題になったんではないでしょうか。
逆に言えば、京都産業大学が今回については断念なさったのは、獣医師会の強い働きかけがあったことも、一因ではないかと考えられます。
公開された文書を何度も何度も読み返し隅々まで全部調べたら、この経緯しかないんです。
この経緯について、前川参考人にお尋ねします。
そもそもこういった経緯について、現職の時に詳細にご存知だったでしょうか」

前川
「私が現職で文部科学省で仕事をしてるなかでもですね、見えない部分がたくさんございました。
私が承知していないことは多々ございます。
しかし、文部科学省としては4つの条件をやはり満たす必要があるということをずっとこだわったわけでありまして。
その第一は、現在の提案主体による、既存の獣医師養成でない構想が具体化すること。
これは今治市からそういう構想が出てくるということを想定していたわけであります。
今治市から確かに何らかの物は出てまいりました。
これに対して文部科学省側は何と言ったか。
文部科学省はそのひとつひとつにつきましてですね、既存の大学でできている、すでに取り組まれていることであると、ということを言っとります。
で、それに対して、何ら反応はなかったわけであります。
ですから、文部科学省としてはですね、この4条件に照らして、今治市から出てきた提案は、この条件を満たすものではないと、いうことを主張はしておるわけでありますけれども、そこから先の議論になっていないわけであります。
そこからあとは、もう、とにかく決めると。
4条件は満たしたと。
誰かが決めてしまったと。
文部科学省として、そのワーキンググループで、満たしていないという主張はしていることは、お読みになれば分かります。
これをもって挙証責任うんぬんと言われるのはおかしい話でございますが、まず、その政府内での議論のなかで、どちらが先にその必要性を述べるかと。
これは確かに、議論の順番として挙証責任をまずどちらに負わせるかということあるかもしれませんが、その結果としてですね、内閣府が勝った、文科省が負けた、だから国民に対しては、これをやるんだと説明すると。
これでは国民に対する説明にはなりません。
この挙証責任の在処ということと、国民に対する説明責任とはまったく別物でありまして、国民に対する説明責任はやはり、政府一体として負わなければならないわけでありまして、挙証責任があってその議論に負けたから文部科学省が説明するんだと、こういう議論にはならないはずであります」

青山
「今のお話は非常に不可思議な話で、全体として仰ってるのは、今僕が申し上げた経緯について、全部ご存知ないっていうのが伝わってきました。
ご存知であればご存知だと仰るはずです。
それから、挙証責任を持つということと、国民に説明するってことは別だとおっしゃいましたが、これ別だったら民主主義は終わりです。
何のためにこの審議やってるのかも分かりません。
挙証責任っていうことをすり替えて仰ったのは今の前川さんの方で、そういうことは、何かの志を持って今お話しされてるんであれば、なるべく避けていただきたいと思います。
その上で、この件もやっぱり加戸参考人にお考えをお聞きします」

加戸
「たとえば、薬学部、これが医薬分業がありまして、いっぺんに入学定員が6000…、5000数百…、6000人近く増えました。
大学の数も2倍近く増えました。
でも、そのことに関して、需要ではどうだ、供給でどうだ、挙証責任がどうだと、誰も問題にされていなかったと思います。
で、今何が起きてるかというと、今後何万人という、薬剤師の過剰供与、それをどうするかっていうのは深刻な問題だということになってる。
かたや、獣医学部はびた一文だめです、そして、挙証責任がありますとか。
論議を聞きながら思いますのは、少なくとも私の知る限り、提案した時点から、東京の私学の獣医学部は、45人とか50人とか50数人の、教授陣容のままで、時代の進展に対応しないまま、今日に来ております。
その中で、今治で計画してる獣医学部は、72人の教授陣容で、ライフサイエンスもやります、感染症対策もやりますと、そういう意欲を持って取り組もうとしてるのに、薬学部ならどんどんつくってもいいけれども、獣医学部はびた一文だめだって。
こんなことが、いったいこの国際化の時代に、欧米に遅れていけない時代に、ありうるんだろうかというのが、私の思いで参りました。

それからもうひとつ感想を述べさせていただきますと、私は霞ヶ関で30数年生活いたしました。
省庁間折衝というのはあります。自分の思いを、省を代表して、激しい言葉も使い、場合によっては虎の威を借る狐のような発言もあり、でも事柄が決着した後は決まったことに向かっての次の施策へ向かって行く。
これが、霞ヶ関の文化でした。
今回は霞ヶ関の文化が感じられません。
時代が変わったんでしょうか。
少なくとも、日本国民にとって、時代の潮流のなかで、どこが何を求めているのか、それに対応するにはどうすればいいのかを、考えることであって、私は本質の議論がされないままに、こんな形で、獣医学部がおもちゃになっていることに、甚だ、残念に思います」

青山
「前川参考人が、文科省の不正な天下り事件に関わられてお辞めになったことは、公然たる事実であります。
この天下りの実態について、記者会見なさった時に、自分はその詳しい実態を知らなかったと、いうことをお話になってます。
僕は大変、驚きを持って、その記者会見を拝見しました。
これが事実だったら事務次官の責任放棄か、怠慢と言わざるをえませんし、事実でないんだったら、天下り斡旋の、そもそも違法性について、認識が足りないんではないかと、いう根本問題につながりかねないと思います。

前川さんにちゃんとお答えいただきますけれども、たとえば獣医師会の蔵内会長は、ご自身のエッセイで何を書かれていらっしゃるかというと、既存の獣医師の改善待遇に意を砕かれていると。
そのためにも獣医師が増えることには反対すると。
直接的には獣医師増に、つながる学校の増設には反対する意志、これエッセイで明確にお書きになってます。
で、この獣医師養成の機関を含めて学校の許認可権はすべて、文科省にあるわけです。
だから学校は天下りの文科官僚を受け入れ、文科省は次官以下が、学校への天下りを法を犯してでも進めたから、前川参考人におかれても、この問題で辞任なさったわけです。
この獣医師会に見られるような、既存の学校だけを守ろうとする姿勢と、天下り問題は密接につながってるんではありませんか。
すなわちこれは、既得権益を、政・官・財・民、もうとにかくありとあらゆる所が一体で守ろうとする日本の闇につながっているんではないでしょうか。
学校の設置許可も、良い学校が残っていくと良き競争に任せないで、既存の学校をとにかく守る。
妥当な規制緩和であっても、やらないという姿勢が、現在の文部科学省ではないんでしょうか。
その懸念を、今日の審議でも大変感じました。
前川参考人のご見解をどうぞ」

前川
「この国家戦略特区における獣医学部設置の問題と、いわゆる天下り問題と、これは結び付けて議論をするのはやはりおかしいと思います。
ま、仮に結び付けるのであれば、具体的な事例は木曽理事の問題です。
木曽理事は確かに、私の先輩でですね、内閣府官房参与をしたうえで、内閣官房参与の身分を持ったまま、加計学園の理事になっておられまして、その2つの肩書きを持った状態の時に私のとこにお出でになりまして、加計学園の獣医学部の新設に向けて働きかけをされたと。
こういう、OBによる現役に対する働きかけこそが、いわゆる天下り問題の弊害の、ひとつの端的な例だと思っておりますが、私はこの木曽理事の働きかけにつきましては、それをもって、何らかの政策判断に影響させるということは、いたしませんでした。
ま、その事実だけは担当から伝えましたけれども、それをもってですね、何か忖度をするとかですね、便宜を図るとかですね、審査を甘くするとか、態度を軟化させるとか、そういったことはすべきでないと思っておりましたし、実際にそういうことにはなっておりません。
この天下り問題と獣医学部をめぐる問題とを結び付けて議論することは誤りだと思います」

青山
「いや、僕は結び付けなればいけないと思っています。
そこが一番違うところですが、、一言だけ申せばですね、文科省はこのほど、文部科学白書を発表しました。
その冒頭の3ページに異例な言葉が入っていて、組織的な天下りの問題について、省をあげて猛省する。
そして国民に謝罪して、3人の事務次官経験者は、すなわち、前川さん、あなたを含めてです、斡旋の構造づくりや、運用に関わっていた責任を、極めて重く受け止め、停職相当の評価としたと。
そういうふうにお書きになってるわけです。
この後輩の方々が苦しんで書かれたこの文章を、今のご答弁は裏切ってるんじゃないかと思いました。
あと1分になりましたが、加戸参考人、どうぞ」

加戸
「ありがとうございます。
若干感情が高ぶって、思いの丈を申し上げすぎました。
ただひとつだけ、触れていなかったことがございます。
6月13日の国家戦略会議、諮問会議の民間有識者の委員の方々が記者会見をされて、私は人に知らされて、インターネットのYouTubeで1時間半、拝見させていただいて、感激しました。
特に今回の規制緩和に関して、心に一点の曇りもなくやったということで、これが今回の大きな事件の結論だったんだろうなと。
これが国民に、知ってもらうべき重要なことなんだなと、私は思いました。
沢山、いままで私のとこに取材がありましたけれども、都合のいいことはカットされて、私の申し上げたいことは取り上げていただいたメディアは、極めて少なかったことを残念に思いますけど、あのYouTubeがすべてを語り尽くしているんではないかなと思います」

青山繁晴
「ありがとうございました。終わります」

このページ作るのに4時間くらい掛かったけど、どうせここまで読む人なんて殆どいないんだろうな。
最低限、このくらいは学んでから選挙に行って欲しい。

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