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やの針灸院の口コミ(浦安)

   

やの針灸院は私が今まで通った中で一番の治療院だ。

その理由の1つ目は、院長である矢野さんの知識と治療の幅の広さである。

通常、鍼灸院はトリガーポイント系と東洋系のどちらかに分かれる。
そして自分が専門とする方でしか患者を診ず、施術もしない。
矢野さんは東洋系の鍼灸師だが、西洋医学の観点から患者を診るし、トリガーポイント治療もする。
10軒くらい鍼灸院を巡れば分かることだが、こういった鍼灸師は大変珍しい。
そんな矢野さんが私の肩の痛みに対して最初に疑った原因は、気胸。
このような見立てをした治療師は医師を含めてこの人が初めてだ。
確かに私は痩せ型で、気胸になり易そうなタイプの人間ではある。
気胸と言えば息が苦しくなる病気だが、稀に息苦しさを感じず背中に痛みが出る人がいるので、まずはそれを考えたと言う。
私は全く自分が気胸とは思わないし、その診断は多分違っていただろうが(レントゲンを撮って確認をしたわけじゃないので現在もその可能性は0ではない)、鍼灸師なのにそういう見方ができるのかと感心した。
この段階でもう、他の鍼灸院とのレベルの差が分かるだろう。

以下、通院して受けた治療と効果の記録。

初回の治療は、気胸だったら何もできないが、可能性の一つとして挙げただけで、ここでは気胸じゃないものとして、整形外科的な治療を試すと言われた。
肩や腕や首のコリに、50本以上の鍼を打たれる。
本数多めのトリガーポイント治療という認識で問題ないだろう。
おざわやつばめ程の刺激はないが、きっちりと場所は捉えている。
他との違いは、おざわ鍼灸院東京つばめ鍼灸も、仰向けうつ伏せどちらかでしかやらないが、ここは先に仰向けで鍼を打って、そのあと今度はうつ伏せで両方やる所。
一人の患者に60分をフルに使う(複数の患者と同時進行しない)やの針灸院でなければできない施術だ。
終了後の体調としては、他院と同じように、その日だけちょっと具合が良くて、すぐに元の痛みに戻る感じ。
やはり普通のトリガーポイント治療ではこうなるだろう。

二回目。
前回効かなかったことを伝えると、今回は運動鍼を試すと言う。
鍼を刺したまま肩や腕を動かすと言う施術で、私はこれが初めてだ(おざわもつばめもやってない)。
効果のほどは、一瞬だけ痛みが無くなったような気がしたが、1分後には戻っていた。
矢野さんにもそのように伝えると、これは効果無しとの判定。
施術後の肩の調子は、おざわ鍼灸で鍼を打たれた時と同程度の効き具合。
つまり、やらないよりはやった方がいいけどレベルで、移動時間の長さを考えると、そこまでの価値は感じない。

三回目。
前回までで整形外科的な施術は試し終えたので、ここからは東洋系の治療を始めるという。
今までと同じく、多量の鍼を仰向け&うつ伏せで打たれ、今日はいつもよりよく眠れるはずだから、ベルソムラを呑まないでみてくれと言われる。
施術後、肩の調子は変化なし。
痛みに関しては、前回、前々回の方が少しは効いていたので、やはりトリガーポイントの方が良いのかも。
その日の睡眠は、ベルソムラを抜いたので、やはり寝付くまでに2時間かかった。

四、五回目。
見立てを変えて、色々なツボに鍼を打ったり、お灸をしたり、吸い玉をしたりするが、効果無し。

六回目。
首に強く鍼を打たれ、その日の夜は珍しく7時間目が覚めずに睡眠できたので、これは効果があったのかもしれない。

七回目。
矢野さんが体調不良で長期療養に入り、施術ができなくなる。
この日は代わりに奥さんの施術を受けた。
悪くはないが、矢野さんと比べるとどうしても物足りなく感じてしまう。
体調に変化は無し。
残念ながら今回で通院終了。

やの針灸院が素晴らしいと思う2つ目の理由は、何でも自分で試すと言う矢野さんの姿勢だ。

普通の鍼灸院に行って、例えばデパスを呑んでいるという話をしたら、高確率で「そんなものは今すぐやめろ」と言われる(自分の腕を過信してる鍼灸師は特に)。
しかし、そういう奴に限って、じゃあ自分は使ったことがあるのかと尋ねると、一度もないと答える。
何で使ったこともない人が、デパスが危ないと言えるのか。
私は自分が服用した上で危ないと言っている。
説得力の差は歴然だろう。
矢野さんは様々な処方薬を、特に多くの難治患者が使っている精神薬や痛み止めを、自分の体で実際に試した上で、患者と話をする(親族に医師がいるので、割と自由に薬を貰えるのだと)。
こんな鍼灸師は滅多にいない。

最後の理由は、治療費の安さ。
先ほどもちらっと書いたが、やの針灸院が一人の患者に使う時間は60分である。
普通の鍼灸院は、10~20分鍼を打って、そのまましばらく放置で、その時間に別の患者に鍼を打ちに行く。
やの針灸院は放置の間も付きっきりで患者の話を聞き、そこからの情報を治療に役立てようとする。
患者にかける時間が他の鍼灸院と比べて約2倍。
しかも矢野さんと、サポート係の奥さん(同じく鍼灸師)と二人がかりで施術をする。
鍼も毎回50~70本くらい打つ。
それで治療代が6500円は驚異の安さではないだろうか。
おざわ鍼灸院と比べると(あっちは10分で30本打ち、その後は全部下っ端任せ)その凄さがよく分かるだろう。

以上により、2020年春現在、やの針灸院は私が今まで通った中で総合1位の治療院である
(ちなみに、総合2位はつばめ鍼灸で、トリガーポイント部門はこっちが1位)。

ただ、どんなに素晴らしいと紹介したところで、矢野さんはもう治療に立ってないので、あまり意味がないかもしれない。
奥さんの方の施術でも、60分で6500円は安いので、近隣住民が通うならかなりおすすめだが、私のように片道2時間半かけてまで行く価値があるかというと、大変申し訳ないが、やはりそこは矢野さんじゃなければ。
いずれは復帰はするつもりのようだが、いつになるか分からず、元々6~8週間待ちの混雑具合だったのも考えると、これから新規の人が矢野さんに診てもらうのは厳しいのかと。
それでもこの記事を書いたのは、良い鍼灸院の例として示したかったからだ。
これを読んだ人が、やの針灸院には行けなくても、他の鍼灸院を探す参考になれば幸いである。

あと最後に、敢えて一つだけちょっとした悪い所を挙げるなら、矢野さんは話をするときマスクを取るが、唾が飛ぶので、そこはマスクを着けっぱなしにした方が良いと思った。矢野さんはエゴサするらしいので、もし目に留まるようなら。

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