読書感想文の楽な書き方(小学生向け)
長くなったので分割しました。
前置きはこちらですが、別に読む必要はありません。
感想文の例
まず、実際に感想文を書いてみます。
題材の本は何でもいいので、ここでは誰もが知っている「桃太郎」でやらせて頂きましょう。
私の記憶では、作文の文字数は「最低でも原稿用紙一枚、目標は一枚半から二枚の間」という決まりだった気がするので、一枚半(600文字)に足りるように書きます。
桃太郎の感想文
おばあさんが川で洗たくしていると大きなモモがながれて来ましたが、ぼくはくだ物の中でモモが一ばん好きなので、川で大きなモモがながれて来たらすごくうれしいです。
ももたろうはおばあさんにきびだんごをもらいましたが、ぼくは今までに一度もきびだんごを食べたことがないので、どんな味がするのか気になりました。もしもどこかで売っていたら買って食べてみたいです。
ももたろうはとちゅうで犬とサルとキジをけらいにしましたが、このページを読んでぼくはふしぎに思ったことがあります。何で犬とサルは犬とサルなのに、キジは鳥ではなくキジなのでしょうか。その理由が気になったのでお母さんに聞いたら
「知らない」
と言われました。お父さんに聞いたら
「昔はサルはニホンザルしかいなかったし、犬もシバ犬しかいなかったから、犬とサルで通じたけど、鳥はニワトリもスズメもツバメもいたから、鳥って書いてあるとどの鳥か分からないから、ちゃんとキジって書いてるんだよ」
と言われました。それを聞いてぼくはなっとくしました。
おにたいじのばめんでは、ぼくは犬にかまれたりサルにひっかかれたことはありませんが、小さいころにペットのインコにゆび先をつっつかれていたかったので、きっとおにもいたかったんだと思いました。
ももたろうはさいごにたくさんのたからものをもってかえってきて、そのあとしあわせにくらしたとかいてありました。ぼくもたくさんのお金をもらってしあわせにくらしたいです。
これで610字です。改行もあるので原稿用紙一枚半は軽く超えるでしょう。
楽な書き方の解説
読み方
書き方の前に、まずは本の読み方が重要です。
どう読めば良いのかと言うと、どうせ物語全体の感想なんて書けないので、ストーリーは無視します。
2~3ページ読んでみて、感想の書けそうな一文を見つけて抜き出します。
上記の例では、最初に桃が流れてきたという文章を選びました。
それに対して感想を書いたら、また2~3ページ読んでみて良い感じの一文を探し、感想を書く。
これを感想文の指定文字数に達するまで繰り返します。
注意点として、なるべく物語の締めの文章は使いましょう。
例では、桃太郎が宝を持って帰ってきて幸せに暮らすという部分です。
最後の文に対して感想を書くと、本全体のまとめの感想を書いたふうを装えます。
とにかく、文単位で感想を書くことを目的にして、そのために使えそうな一文を探す。
このような読み方を意識して、ページを捲りましょう。
そうすれば読書が苦手でも、上手くやれば10数ページ読むだけで、感想文は埋められます。
書き方
続いて、書き方。
桃太郎の感想文を一文ずつ解説します。
おばあさんが川で洗濯~
非日常(大きな桃が流れてくる)に遭遇したら、何を思ってどうするかは人によってかなり違うので、こういうシーンは感想が書きやすく狙い目です。
自分が取る行動とその動機をそのまま書きましょう(行動:取りに行く、動機:食べたい)。
更に、動機の理由(食べたい:果物の中で桃が一番好きだから、値段が高くて親が買ってくれないから、など)が書ければ、もう少し文字数を増やせます。
きびだんごをもらい~
珍しい食べ物が出てきたら、とりあえず食べてみたいという感想を書きましょう。
ただ、「食べてみたい」とだけ書くのではなく、「食べたことがないから味を知らないので食べたい」と書くと文字数が稼げます。
他にも、珍しい乗り物(ヨットとかドラゴンの背中とか)が出てきたら、乗りたがっておけば良いし、武器(剣や銃)が出てきたら使いたがるべきです。
本の中には未体験の話がたくさん出てくるので、そういうシーンが出てきたら、嘘でもいいので必ず「自分もやってみたい」と書きましょう。
そして、やった結果を想像してどうなりそうか書くと、より文字数が増えます(ドラゴンに乗ったら落ちそうで怖い、銃を撃ったら音がうるさそう、など)。
犬、猿、雉~
不思議に思ったことがあったら誰かに聞きましょう。
教えてもらった内容を「」で書けば行数が稼げます。
鬼退治の場面~
自分の経験したこと(鳥につつかれた)が話の中に出てきたら、その時どうだったのか(自分は痛かった)をそのまま書き、それを登場人物に重ねましょう(鬼も痛いに違いない)。このパターンは、経験を思い出すだけで、新しく何かを考えなくてもいいので、楽に書けるはずです。
宝物を持って帰ってきて~
物語の終わりがハッピーエンドならば、自分もそうなりたいと書き、ハッピーエンドに理由があれば(正直者だったから幸せになれた、努力が報われた、人に優しくしたら恩が返ってきた、など。桃太郎にはありません)自分もこれからはそのように心掛けたい(嘘をつかず正直に生きたい、怠けずに努力したい、困ってる人を無視せず優しくしたい、など)と書きましょう。
ただ、理由を探すには本全体を読まないといけない場合もあるので、そういう時は無理に書かなくてもいいです。
バッドエンドならば(地獄に落ちたとか)、原因が分かっていたら(自分だけ助かろうとして糸を切ったとか)それを抜き出して、同じ状況になった時に、自分は主人公と同じことをするのか、それとも違うことをするのかを書きましょう。
バッドエンドの理由が分からなければ、最後のページから主人公がこれから先どんなに辛い思いをするのか(例えば、最後に友達が一人もいなくなったら、遊ぶ時に寂しい思いをすると)想像して、憐れんでおきましょう(可哀想だと思いました、で文章を締める)。
桃太郎の感想文の解説は以上です。
今回使ったテクニックは他のどんな物語でも使えるので、参考にしてみてください。
中学生以降の感想文は、これでは流石に無理なので、需要があれば別に書きたいと思います。